未完放流

終わりなど無い、有るのは試練だけだ……

2024年から始まる「新しいNISA」は氷河期世代の役に立つか?

NISA が大幅に拡張されることについて、投資クラスタの情報整理は一通り終わりました。 内容は投資信託ETF などで長期の資産形成する制度としては悪くはないです。 ただ枠については物価の変動(上昇)を考慮するために5年ごと程度には見直しを希望します。

もっと言えば金融ビッグバンとかに言っていた時代、20年前には実施して欲しかったですね。 非正規雇用ブラック企業問題などに対する防御策としても機能したはず。

老後2000万円問題対策として

年金が事実上の破綻するので、老後資金を各自にで確保して欲しいとのメッセージではないかと勘繰りたくなります。 老後2000万円問題が有名ですので、これを目標に試算してみました。 年金が機能しないとか、退職金がないとか条件は悪くなっているので必要な金額はもっと多いかもしれません。

物価上昇を無視して、45歳、該当世代で金融資産を持たない世帯を含んだ貯蓄中央値200万をモデルケースに考えます。 100万を現金で、残りを投資にまわし 70歳まで働けたとしても年利 3 % ですと年間投資額50万必要です。 20年働いて貯蓄が200万で、50万/年の投資は現実的と言えるでしょうか? やはり詰んでいますね。

手元に残す額100万円は変えずに、 貯蓄 600万、30万/年の投資でも 1900万弱。 貯蓄 700万、35万/年で2300万弱。3万円/月の貯蓄ができれば及第点となります。 金融資産分布からザックリ考える限り 3 割強程度の世帯が達成するのでは想像しております。

枠(1800万円)をフル活用

逆に理論上、恩恵が最大になる施行後の最短5年で満額 1800万を埋めるパターンを考えてみます。 単身・二人以上世帯混合ですが 40 代で1800万を超える金融資産を持っている世帯というのは上位15%前後ぐらいのようですし、最短チャレンジができる世帯も最大20%弱もあれば良いぐらいだと思います。 70歳時点での資産価値の期待値 3452万 を現金化した場合の 330万節税できます。以降160万/年で取り崩したとして93歳までは持ちます。 人生100年時代とか言うので、30年徐々に取り崩すパターンを考えてみましたが 600 万強位が節税の期待値でしょうか。 こちらですと100歳時点で770万弱残ります。

実際にはある程度の額の金融資産を持っていれば、何割かは現金・国債などの変動が少ないものにするが定石でしょうし年齢的にもリスクがある商品の購入は控え始めるでしょう。 安全資産の比率を 1/3 程度にしたとしても、結局、総資産が 3000 万位持っていないと最短チャレンジはできないような。 45 歳人口の 5 % もいるのだろうか?

就職氷河期世代にメリットはあるか?

素人が適当に考えただけですが、氷河期世代には運用に使える資産と期間も充分と言えず有難みが薄い気がします。 あり得るシナリオとして、引退までにインフレが起きれていれば恩恵があるかもしれません。

貯蓄ができるだけ収入がある、もしくは何らかの理由で運用できるだけの資産がある若い人には意味がある制度だと思います。

シルバー世代には有難味が薄いとか若者優遇とか記事も見かけましたが、どう見ても団塊の世代は優遇されています。 負担が若年層に偏っていますし、そもそも自己責任で資産運用して老後資金の準備という用途が大半になるでしょう。