ZFS on NAS用 自作PCの使いどころを考える
私自身が使うストレージを考えると、NAS on 自作PCしか思い浮かびません。 保管対象が VMware の guest image や作業データなどのバックアップが殆どなので他を考える必要がなかったと思います。
ストレージとして他にはどんな選択肢があるでしょうか?
- NAS (ZFS on 自作PC、その他市販品)
- クラウド ストレージ サービス (Dropbox, Google Drive, OneDrive etc)
- ディスクアレイ
- テープデバイス(テープドライブ)
下の2つは個人向けじゃないだろうと突っ込まれそうですが……
想像を超える漢達
個人で19インチラック& Fibre Chanel 構築例
www.slideshare.netテープドライブ導入例 blog.shiftky.net
昔、自宅で infiniband というのも見た記憶があります。
これらの機器を新品で買いそろえようとすると一般個人は躊躇するお値段になります *1。 オークションでデータセンター等の流出品を入手するようです。 そもそも、この辺りの機器に手を出すのは熟練者で自作PCで作るNASなど眼中にないと思います。
Fibre Chanel はデバイスの勉強としてエンジニアが自宅用に購入、 テープデバイスを動画の保存目的で近年個人でも増加しているように見受けられます。 「コンバートされたビデオテープ」とかは禁句です。
記憶媒体となる LTO カートリッジ の入手性自体はそれほど悪くないようです。 Amazon は勿論、ヨドバシカメラでも取り扱いがあるようです。
専門的な事業所でつかう特殊な計測機器の結果などは年々高精度化しているのでストレージが幾らあっても足らなくなるは良く聞きます。
30年ほど前、私もテープデバイスを使っておりました。
FM-NEW7 で(笑) 検索したら丁寧な記事を見つけました。皆さん愛着があるようで記事が多数見つかりますね。
FM-7/FM-NEW7 買って決して損しないは誉めすぎ - StarBrother
当時はカセットテープが記録媒体として使うのが普通でした。 テープが2010年代に入って再び使われるようになった時にカセットテープを思い浮かべたオッサンは私だけでないはず。
クラウド (オンライン) ストレージ サービス
多分、この記事を読むような人はオンラインストレージで事足りる人ではないと思います。 十数GB位なら無料で使えますがアカウントが必要だったり運営企業の都合で条件が変わります。 有料プランもよく見直されます。
冗長性も確保されておりデータが消えることは、ほぼありません *2。 お金に糸目をつけないのなら便利かもしれませんが、大規模になると転送が問題なります。
日本でも Snowball 使えるんですね。 aws.amazon.com
Google でも同様のサービスが始まっているようですが、日本で使えるかは不明。 cloudplatform.googleblog.com
データが増えすぎて物理転送が効率良くなってしまうのは何だか皮肉な感じもします。
ZFS on 自作PC
さて本編。ここまで紹介してきたストレージが目的に沿わない場合です。 前提として以下の2つが挙がる訳ですが、既に敷居がやや高いです。 パッケージ化されていないので、言うまでもなく稼働は自己責任です。
そもそも余計な手間がかかるので、予算が許せば市販のNASを買ったほうが良いです。 また Windows のライセンス料が気にならないのであれば記憶域スペース機能も魅力的です。 ZFS on 自作PCはリスクと構築する楽しみをとって出費を抑えるていると考えるべきでしょう。
自作PCで組む場合は予算との兼ね合いになりますがNASの使いかたの計画は立てておいた方が良いです。 最初はHDD3台で運用して、3年後に追加の見込みなど。
自作PCが自由にパーツを選定できると言っても、実際には1台につきHDD10台ぐらいが限度でしょうし、 それ以上になるとパーツの選定が難しくなるのでメリットが薄れると思います。 また3年に一つぐらいはパーツのどれかが壊れると考えた方が良いと思います。
HDDの台数で考えれば、
2018年3月の普及価格帯で4TB 1万円前後で組むのが容量当たりでパフォーマンスが良さそうです。 4台以上組めるのであれば、RAIDの構成に悩むのが楽しそうです。
ZFS&NAS向けという視点でパーツを選ぶ
若い時はムキになってパーツをチェックしていましたが、現在は知らない間に規格が世代交代していて困ります。 価格コムで値段だけでなく、スペックも調べることができるようになり便利になりました。
ケース
ミドルタワーのケースを適当に買うと3.5インチベイが5個ぐらいしかなく、長期的なNAS運用計画にそぐわないということがあり得ます。 (私は失敗したことがあります。) 5インチを変換するマウンタなどの利用も視野に入れておきましょう。 大きめのフルタワーなどを買えば 3.5 インチベイが17個のものも見つかります。 私もこの大きさになると使いこなせるのか分かりません。
電源
24時間運用するので3年ぐらいでお釈迦になっても仕方がないと思っています。 使うディスクの数によって必要なケーブル、容量が変わります。 これもSATA用電源の数が不足することが想定されるので旧コネクタを変換して使うことになると思います。
SATA port の確保:マザーボード or インターフェースカード
現在の自作PC用に販売されているマザーボードのSATAが10個前後のものは容易に見つけることができます。 chip set の規格上の上限値は分かりません。インターフェースカードを買えばもっと増やせます。 ZFSは、SASによる構成も可能ですが入手性とお値段も手軽とも言えずメリットがあるケースは少ないと思います。
RAM
ZFSのデメリットとしてRAM*4 を多めに摘まないとパフォーマンスが低下し易いというのもあります。 またメモリはECCにするべきという意見も見られますが、個人用途では躊躇しますね。 ECCですと WorkStation になってしまうので CPU も Xeon になってしまうので一気に値段が上がってしまいます。
その他
システム用の disk は SSD などをストレージとは別に確保した方が運用しやすいと思います。 SSDでZFSのストレージプールを構成することもできますが、これも予算が跳ね上がります。 自作PCでNASのうま味が減ると思います。 L2ARC として使う手もありますがRAMを増やす方が有効な場合が多いようです。
CPUはストレージプールに圧縮する設定にした場合などは影響があるかもしれません。 常時読み書きに圧縮展開するようになります。 使用頻度が下がったデータに使うことが一般的かと思われます。
まとめ
クラウドが足らない、クラウドにデータを保管したくない場合はNASという選択肢になると思います。 やはりテープやディスクアレイは敷居が高いです。 汎用部品で構成されたものは代替品の入手が容易で運用面で有利だと思っています。
ただPCに詳しくない友人に勧められるかと言われれば難しい気がします。 やはり無償で面倒見るのには厳しいですね。