未完放流

終わりなど無い、有るのは試練だけだ……

就職氷河期世代が介護に直面したら

現在でも介護で詰む話は聞きますが、超氷河期世代が直面し場合 破産か生活保護受給をする人が増えるのではないでしょうか?

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全世代の調査のようですが、貯蓄0世帯も単身世帯で48.1%、二人以上世代で30.9%らしいです。 紛らわしいのですが本当にお金がないという意味ではなく、この調査で貯蓄と見なす資産が無いということだそうです。 本当に貯金が無いという人はもっと少ないはずです。

ネットでこの統計が出たときに「皆、こんなに持っているのか」という声が多かったので、無貯蓄世帯が少ないと考慮しても格差は相当開いているのでしょう。

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金融資産は高齢者の方が多いのですが、2000年辺りから格差が拡大し庶民の資産は減少傾向になると想像されます。 資産形成されていない氷河期世代に回ってくれば問題が発生しやすい状態という訳です。 どうにかなると思っている人が多いのか分かりませんがマクロでやばいと思います。

氷河期世代は人口分布で言えばボリュームゾーンであり、かなり少なく見積もって1000万人は優に超えます。 氷河期世代の親は団塊の世代が多く、こちらは最大のボリュームゾーンです。

「親と共倒れ」か「親を見捨てる」か

山本一郎さんの記事では「命の選別」と書かれていますが、もう少し悲観的に考えてみたいと思います。

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どちらも非人道的な表現の選択肢だと分かっていますが、喉元に突き付けられた剣をどちらに向けるかという話ですね。 リソースが尽きたときに2つの内の何れかということになると思います。 より具体的な事例は「介護 悲劇」あたりを検索すれば幾らでも出てきます。

厚労省のアンケートにも延命治療を希望するかという項目があったようなので、 表現は異なりますが限度があるということを匂わしています。

延命も度を過ぎれば

私の祖母の臨終の際の話ですが、父達は慕っており大切にしておりました。 後で知った話ですが、延命治療を施しており祖母は苦しみながら無理やり生かされる状態だったそうです。 残された者たちは長く生きてもらいたいのは分からなくないのですが、命とは生きるとは何かという、祖母の望みはどこにあったのか? 孫としては複雑な心情にかられたことを憶えています。

個人差はあると思いますが、親として子に迷惑を掛けたくない、できるだけ健康に生きて死ぬときはさっと死にたいと考えは割と多いと思います。 現実は痴呆症状などが出て、自分を育ててくれた親の人格が崩壊するさまを見せつけられるのは辛いでしょうね。

このままでは共倒れでは?

2000年頃、親父と話したときに 「このまま俺たちの世代(就職氷河期世代)を見殺しにすると日本は全世代共倒れかもな」 という旨のことを言ったことがあります。

最近は現実味を帯びてきたと思います。

我々の世代に対する救済は何もありませんでしたし、浪費されたというのが現実だと思います。 遂には介護問題まで具現化されるわけですが、我々には余裕などありません。

広く現状維持を考えるならば

社会保障費を上げる必要がありまね。

広く徴収すると困るのは貧困層ですし、かといって現在の中流からとれば貧困層が増えるでしょう。 どちらも生活保護が増え返ってコストがかかると懸念があります。 累進性をかけてアッパーから取るぐらしか現状維持は無理かなと素人考えになるわけです。

もう一つ考えられるのは賃金払いを適正にして物価を上げるというのもありました。 デフレマインドが染みついており、現役世代・労働者が強くなるのは株主・経営者が嫌がるでしょう。 金融資産が現金が殆どの高齢者も相対的に弱くなるのであり得ないでしょう。 アベノミクスの当初の狙い、これだったような。

後は株などでの利益に累進性を持たせた税制に移行するかというところですね。 昨年少し話題になりましたが、これも現実味が薄い。

超富裕層による寄付というのも文化的にないので、これも夢物語か。

2ch まとめサイトなどを参考に作文してみましたが詰んでますね。

2018年04月11日追記:山本一郎さんが掘り下げています。

38歳から44歳は雇用が不安定って仰っていますね。 労働調査で正社員率が9割を超え氷河期問題が解決したという意見もあるようですが、 生涯賃金も少なく充分な貯蓄できていない(先に参照した資産調査)というのが実態に近いと思います。 全く問題解決しておりません。

そもそも年齢層で収入・資産に差が出ている現状とシステムに疑問を持つべきです。

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今回は彼からの解決案の提言はないようですね。 私の意見としては仕事と対価の支払いのバランスが悪いことを是正すべきと思えます。

2018年04月14日追記:たぱぞうさんが掘り下げています。

氷河期世代の悲惨さを認めつつも年金支給開始年齢を遅くするべきと主張されています。

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マクロで危険なのは分かりますが、記事の内容を解釈すると残念ながら事実上「詰み」という状況に思えます。 富の再配分が上手くいっていない状況で氷河期世代は更に悲惨になると忠告されていますが多分その通りになると思います。

彼は自己防衛手段としてアメリカ投資を提案しています。 投資の損益は自己責任なのでリスクもありますが、長期的には益をだす現実的な手段だと思っています。 私も投資信託を購入しています。

しかし周りの友人・同僚などと話ていると収入に合わない消費によって貯金・投資ができないのは改善の余地があるとしても、 そもそも収入が少ないのは転職位しか打つ手が無いですがリスクが大きいのが現実。

「若者(中年)の介護離れ」とか非難しませんよね?

新たな問題が顕在化しそうですが、「若者の車離れ」から始まったように氷河期世代に責任を求めるのでしょうか? 今度は「恩知らず」とか「親不孝」とか言われかねないですね。 もっと酷いのを考えれば「非正規雇用を選んで、社会保障費に充分なお金を稼がない氷河期世代が悪い」ぐらい言い出すかもしれません。

氷河期世代は就職難は人災であり新卒一括採用の欠陥であると考えおり、その原因が団塊の世代だと考えている人も少なくないです。 現在でも遠因となっているのではと思われる事件が時々起きておりますが今後増えるのではと思います。

氷河期世代の復讐・サイレントテロの一部としての介護崩壊を考える人もいるようですが、陰謀論めいたことを疑うよりも社会的な機能不全という方が妥当でしょう。 復讐というのは少なくとも計画を立てて自発的な行動を指すと思えます。 また積極的に自分の親の面倒を見たくないという人は少ないでしょう。

某ゲームの「破壊と再生」という言葉が頭をよぎるのですが、 一旦壊すべきものを壊して作り直した方が良い状態なのかもしれません。 これが「因果応報」なのか「自己責任」か知りませんが問題は隠さず直視して早めに対処するべきですね。 氷河期世代以外から悲観的な声を聞かないのは、やはり歪な感じがします。